グループホーム フェリーチェ
知多半島の丘陵の上、自然豊かな環境に立地する認知症高齢者グループホームの計画。認知症高齢者グループホームは、近隣住環境とのつながりが希薄な立地が問題視されることが多いが、この自然の豊かさを最大限に活かして入居者の人間的な生活を回復できる心地よい場所になるようにと考えた。
平面計画
西側の入居者個室棟、北東側の L字の共有施設棟、南側の縁側を8の字型の回廊でつながるプランとして、窓辺のベンチ、談話コーナー、縁側、みんなのリビングといった入居者にとっての居場所を回廊の中に散りばめた。
縁側
入居者の安全性確保のため、鍵のかかった室内だけで閉じてしまうことが多い認知症グループホームにおいて、安全性を確保しながら半屋外の心地よさにふれられる場所として縁側を設けている。回廊の一部に組み込むことで、生活空間の一部として日常的に活用されることを意図している。また南側に縁側をつくることで北側のリビングは包まれた居心地の良さを獲得している。
日中の丘陵を吹き渡る風や鳥の声、夕方の風の匂いの変化や虫の音。そんな自然と寄り添う生活を送ることで認知症の進行を緩やかにさせるとともに、人間的な生き方を回復できるような居場所になればと願っている。
Principal use | 認知症高齢者グループホーム |
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Total floor area | 616㎡ |
Address | 愛知県東浦町 |
Completion date | 2022.5 |
Constructer | (株)トヨタトータルデザイン |
Work contents | 設計・監理 |
Representative | 丹羽 浩之・白井 健太郎 |
Photographer | ToLoLo studio |